仕様:分解能(spatial resolution)は?
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カメラの光学的な分解能は
水平方向:12μm以上
垂直方向:23μm以上
ですが、上記の数値は、単純に光学的に分解度能を調べるためのチャートを元にした数値であって、実際の眼底血管の分解能をあらわすものでありません。ご質問の答えとして期待される空間分解能は、どの程度の細い血管の血流分布や変化を描画できるかを示す実効的な分解能であると思いますが、実際には、この性能は被験者の固視能に大きく依存し、測定中の固視が安定しなければ細かい血管パターンを描画することができません。固視の比較的安定な被験者の視神経乳頭上の細い血管を描画した例では、血管の断面が3ピクセル程度まで分解できているよ うですので、血管断面像の半値幅を実効的な血管径とすれば、直径20ミクロン程度の血管までは解像できることになります。
しかし、眼科医の先生方も御経験されていると思いますが、実際の眼科にかかる患者さんはそもそも視力が落ちているため、固視が安定せず、ここまで鮮明な血管画像を捉えられないことが多いです。
ということから上記分解能を論文などで表示されるときには、注意書きで、
※光学系と撮像素子から得られる実効的な分解能であり、観察される血管の分解能ではありません。
と一文付けていただければと思います。