なぜ斑点模様が発生するのですか?
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生体は多数の散乱粒子の集合と見なすことができます。下図のように、空間にランダムに分布している粒子によってレーザーが散乱されるモデルを考え、その過程でなぜ斑点模様が発生するかを説明します。

スペックル発生モデル

これらの粒子から観測面上のある点Pに到達する多数の散乱波面が、たまたま同位相で干渉すれば、互いに強め合ってその点は明かるくなります。
ところが別の点Qでは、各粒子から到達する散乱波面の光路が別の組み合わせになるため、逆位相になって互いに打ち消し合い、その点が暗くなることが十分あり得ます。
ヤングの干渉実験で二つの波面が干渉していた様子を思い出して下さい。これを拡張して、非常に多くの波面がランダムに干渉する様子を想像してみましょ う。
散乱粒子の位置には全く規則性がないため、ある点が明るくなるか暗くなるかは、干渉してみなければ解らない、隣の点もどうなるか解らない、つまり明る くなるか暗くなるかは、確率過程に従うことになります。
このようにして形成される干渉模様は、規則的な縞模様にはならず、ランダムな斑点模様になります。 散乱粒子が全て静止していれば、この模様も静止します。