LSFGはスペックルのブレをブレ率として数値化し、血流評価量としています。
血流評価量はLSFGの開発の歴史において、下記表のように変遷しました。
ポイントは、スペックルを観察するイメージセンサーです。
従来は特注品の時間解像度が高いエリアセンサーを採用していましたが、入手困難となり、現在は汎用CCDカメラを利用しています。
血流評価量 | イメージセンサー | 概要 |
BR値(Blur Rate value) = NB値(Normalized Blur) | 特注品 画素数:100×100 走査周期:1/500[sec] | イメージセンサーが検出する光強度の標準偏差の逆数を血流評価量として用いました。BR値は、スペックル強度コントラストの逆数であるS/N比(Signal to Noise ratio)という物理的な意味があります。 |
SBR値 (Square Blur Rate value) | 特注品 画素数:100×100 走査周期:1/500[sec] | BR 値を血流評価量として用いてきましたが、血球の移動速度が速くなると、BR値では直線性が悪くなることが判明しました。BR値の2乗が血球の移動速度と比例関係にあることがその後の研究で明らかになり、BR 値の2乗となるSBR値を血流評価量として用いました。 |
MBR値 (Mean Blur Rate value) | 汎用CCD 画素数:750×360 走査周期:1/30[sec] | 特注品のエリアセンサーが入手困難になったため、汎用CCDカメラを利用して血流評価量を求める研究を行った結果、MBR値が誕生しました。汎用CCDカメラでは十分な時間分解能が得られないことから、広い空間分解能で時間分解能の不足を補う方式を考案しました。MBR値は、時間的変動と空間的変動の両方から得られる値を計算し、得られる血流評価量です。 |
参考文献
- レーザースペックルフローグラフィ-の原理
あたらしい眼科, 15, No.2, 175-180, 1998. - New Laser Speckle Flowgraphy System Using CCD Camera
OPTICAL REVIEW, 9,No.4, 163-169, 2002
各血流評価量の関係について
各血流評価量の関係をまとめると、下記の通りとなります。
SBR = BR2
MBR = 2×SBR = 2×BR2
BR 値とSBR値は速度に対する直線性が異なり、血管などの高速領域では表示値も、その増減の割合も変わってきます。
SBR値とMBR値はMBR=2×SBRという単純な関係にあります。