一言でいうなら血流の持続時間(割合)です。もう一つの特徴は動脈硬化の進行の程度を表します。
血管が拡張する際、弾性力をもって拡張しますが、しなやかな血管であれば弾性力に富むためしなやかに血管が伸展し、穏やかに収縮します。→ 血流の持続時間が長い(BOT高い)。
一方で動脈硬化が進んだ血管では血管が硬いため血圧がかかり血管がそれにともない急激に拡張しようとしますが、硬いためすぐに収縮しています。→ 血流の持続時間が短い(BOT低い)。
BOTが高いと弾性力のある血管を持ち、動脈硬化の進行の程度がゆっくりであると考えられますし、低いと動脈硬化が進んでいるかもしれません。
BOTは血管が一心拍内の血管が拡張している時間の割合を示していますので、こういった動脈硬化の状態をよりよく反映するのです。このため視神経乳頭全体のBOTは年齢と負の相関になります。
[参考文献](
- Tomoaki Shiba, Mao Takahashi, Yuichi Hori and Takatoshi Maeno
Pulse-wave analysis of optic nerve head circulation is significantly correlated with brachial ankle pulse-wave velocity, carotid intima media thickness, and age
Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology, doi: 10.1007/s00417-012-1952-5, 2012.)
一方で、健常者であり運動習慣のある人は平常時心拍数が低く、酸素の変換効率も良いことが考えられます。
一心拍中の血流の持続時間の割合であるBOTも運動しない人に比べて相対的に血流の持続時間の割合が低いようです。→ BOT低い(ただし、動脈硬化の進行ほどは低くないので、動脈硬化の進行の程度を勘案するときには心拍数とBOTで総合的に判断する必要があります。)
BOT(Blowout Time)は血流波形の半値幅に注目した値で、一心拍中に半値幅が占める割合を表しています。
BOT(Blowout Time)という名称は、内科循環器への応用を精力的にご検討いただいている東邦大学医療センター佐倉病院様からご提案頂いた名称です。